企画展「自然水景 めぐる、いのち展~見つめているのは、生命の循環~」が12月18日、すみだ水族館(墨田区押上1)で始まった。館内6階の展示エリア「自然水景」を舞台に、5つのネイチャーアクアリウムを通して、自然の成り立ちやいのちの循環を伝える。
同展は、来館者が最初に足を踏み入れる「自然水景」エリアを中心に構成。水槽の中に自然界の生態系を再現する「ネイチャーアクアリウム」は、「自然から学び、自然を創る。」を理念に、アクアデザインアマノ(ADA)創業者の故・天野尚さんが確立した表現手法として知られる。
会場では、「原生林の構図」「草原と石景」「スイレンの水辺」など、天野さんが自ら手がけた水槽を含む5つの水景を展示。水草が光合成によって酸素を生み出し、魚や微生物がその中で共存する様子を、一つの「縮図としての自然」として体感できる構成になっている。
期間中、エントランスから自然水景エリアへと続く階段に、アマゾンの原風景を捉えた写真16点を展示。ネイチャーアクアリウム創造の原点ともいえる自然の姿を、超大判フィルムで克明に写し出す。併せて、各水槽の原風景写真や制作過程を紹介するパネル展示も行い、水景が生まれるまでの背景を紹介する。
このほか、光や二酸化炭素、水、植物などの関係性を可視化した解説水槽も期間限定で設置。水槽内で循環する「命の仕組み」を、より直感的に理解できる内容となっている。
会期中、水景クリエーターによる解説付きのミニパルダリウム制作ワークショップや、公式ユーチューブでのライブ配信も予定。体験や映像を通して自然水景の世界に触れる機会を広げる。
同館副支配人の柿崎智広さんは「ネイチャーアクアリウムは、自然の情景を美しく再現するだけでなく、水槽の中で生命が循環する仕組みを伝える展示。来館者が展示を通して、身の回りにある小さな自然にも目を向けるきっかけになれば」と話す。
開館時間は10時~20時。入館料は、大人=2,500円、中高生=1,800円、子ども=1,200円、幼児=800円。2026年2月24日まで。