東京名所にも数えられる初詣コース「隅田川七福神巡り」に1月7日、押上・業平橋地区のイメージキャラクター「おしなりくん」と向島地区の「言問姐(ことといねえ)さん」が登場。人力車に乗って各寺社を参拝した。
1804年、向島百花園(墨田区東向島3)で風流に浸っていた「文人墨客」と呼ばれる通人たちの間で正月の楽しみとして始められた「隅田川七福神巡り」。江戸時代から伝わる参拝方法は、各寺社で神様の御分体(各400円)を請け、宝船(1,000円)に乗せて家庭で祭るもの。お参りの証しとして、色紙などに御神号や御朱印を揮毫(きごう)してもらうだけの人も多い。
一行は10時30分に毘沙門天(びしゃもんてん)を祭る多門寺(墨田5)に集合。参拝、御分体受領、御揮毫を済ませて、1,500メートルほど南にある寿老人をあてた白鬚神社(東向島3)に向けて出発。そこから発祥の地で福禄寿(ふくろくじゅ)尊をあてた百花園、門前で売る桜餅が有名な弁財天の長命寺、布袋(ほてい)尊を祭った弘福寺(以上、向島5)、元は越後屋(現三越)に祭られていた大国神と恵比寿神が鎮座する三囲(みめぐり)神社(向島2)まで、約3キロの道のりを巡った。
「おしなりくん」と「言問姐さん」を乗せて走ったのは「えびす屋雷門」(台東区)の人力車。昨年、東京スカイツリーの真下(業平1)に営業所を設置した。「スカイツリーを眺めつつ、歴史の記憶が色濃いこの街を、昔ながらの人力車で移動しながら観光する楽しみは格別」と雷門店長の小川勝規さん。
この日は「おしなりくん」がNHK総合テレビ「おはよう日本」首都圏のコーナーに出演した直後ということもあり、2人は訪れた先々でファンや参拝客の歓迎を受け、記念撮影などの対応に追われた。「粋でいなせな向島芸者キャラの言ちゃんを、今日は幅広い世代に知ってもらえる、いい機会になった」と「向嶋言問姐さん事務局」の奇怜子さん。おしなり商店街振興組合事務局の阿部正さんも「スカイツリーを見にきたら、ぜひ、おしなりくんの家のある商店街にも遊びに来て」と話す。