
墨田区の名誉区民・王貞治さんゆかりの地を歩く「第19回まち歩き」が3月15日、墨田区内で行われた。主催は、まち歩きをしてクイズを楽しむ「すみけんサークル」。
王さんは1940(昭和15)年、墨田区本所生まれ。墨田区立業平小学校、本所中学校に通い、早稲田実業学校を経て、1959(昭和34)年に巨人軍入団。世界のホームラン王と称される活躍が認められ、1977(昭和52)年に日本で初めての国民栄誉賞。1980(昭和55)年現役引退。その後、2010(平成22)年に初めての墨田区名誉区民として顕彰された。
当日はサークルメンバー11人が参加。10時に曳舟駅を出発した一行は、王さんが中学生の頃に野球をしていた隅田公園少年野球場(墨田区向島5)に立ち寄った。この少年野球場は、戦後の荒廃した時代に「少年に明日への希望」をスローガンとして、1949(昭和24)年に開園した日本初の少年野球場。一行は、王さんの一本足打法のレリーフが掲げられた入り口ゲートの前で記念撮影。一本足をまねる人もいた。
今回のまち歩きのリーダーを務めた佐藤章さんは「今年1月に五街道雲助さんが3人目の墨田区名誉区民に選ばれたと知り、1人目の王貞治さんゆかりの地を訪ねるまち歩きを企画した」と話す。
一行は隅田公園から南へ向かい、本所中学校(東駒形3)へ。校舎正面左には、1985(昭和60)年の開校40周年記念として設置された「王貞治記念碑」がある。王さんのサインと自筆の「気力」の文字が刻まれた碑で、多くの人が「パワーを感じられる」場所になっている。佐藤さんは「本所中学校の卒業生には王さんのほか、いかりや長介さん、柳家さん喬さんもいる」と紹介した。
続いて業平小学校(業平2)に立ち寄った一行。王さんは1953(昭和28)年の卒業生で、2018(平成30)年の開校100周年記念として、正面玄関脇にサインと手形が設置された。身長178センチの王さんの手形に、自分の手を重ねて確かめる参加者もいた。
最後は錦糸公園(錦糸4)へ。園内の「ひがしんアリーナ」2階には「名誉区民顕彰コーナー 王貞治のふるさと墨田」があり、背番号1のユニホームや一本足打法のパネルが展示されている。
同サークル会長の大野田和弘さんは「今回のまち歩きは約6キロを2時間ほどで巡るツアーで、1万歩近い運動になった。墨田区が誇る王さんの足跡をたどることができて良かった」と振り返る。「当サークルは、まち歩きとクイズ大会を毎月交互に開催している。次回は4月19日にクイズ大会を行う予定」とも。