
子どもたちが手足で絵を描くワークショップ「みんなで描こう!手と足で感じる北斎アート」が9月13日、「すみだ北斎美術館」(墨田区亀沢2)の講座室「MARUGEN100」で行われた。主催は日本わくわくキッズ実行委員会とすみだ北斎美術館。
モンテッソーリ教育の専門講師で、日本わくわくキッズ実行委員会の牧野裕美子さんが指導にあたり、筆を使わずに手や足で直接絵の具を塗り広げながら、葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景 凱風快晴(赤富士)」を大きな共同作品として表現した。
当日は小学生7人と保護者2人が参加。画用紙25枚をつなぎ合わせた5メートル四方の大きなキャンバスに向かい、子どもたちは全身を使って自由に色を重ねた。手形を押したり、足で絵の具を広げたりする姿に会場は笑顔と歓声があふれ、知り合い同士ではなかった参加者も、制作が進むにつれて自然に打ち解け合った。
モンテッソーリ教育は、イタリアの医師マリア・モンテッソーリが提唱した教育法で、子どもは生まれながらに自らを成長させる力(自己教育力)を持っていると考え、その力を最大限に引き出すために子どもが主体的に学び、行動できる環境を整えることを重視するもの。手や足など感覚を使う活動は脳への刺激となり、動きを通して学んでいくことが幼少期の子どもの自然な学び方とされる。
牧野さんは「小学生向けは初めてで、テーマを設けて取り組んだのも初めて。普段は乳幼児を対象にしているが、みんなそれぞれの場所を決めて好きな色を作って描いていたのが印象的だった。準備は大変だったが、想像以上に完成度が高く、完成したらまたやりたいと思った」と話す。