墨田区と台東区を結ぶ桜橋(墨田区向島5)で11月16日、両区の代表が綱引きで競う「隅田川ツナシキ大会2025」が開催される。墨田区と台東区が後援し、昨年に続き2回目。
綱引き大会に勝利した区は「非公式」に区境を1メートル相手側に移せるというルールがある
大会名の「ツナヒキ」ではなく「ツナシキ」と表記について墨田区代表チームを率いる山口亮(まこと)さんは、「江戸っ子は『ひ』を『し』と発音してしまう。そういう遊び心を大切にしたいという思い」と話す。 「墨田区、台東区に共通する下町文化や江戸文化を大切にする気持ちが随所に表れている」とも。
前回は5チームが参加し、1勝4敗で墨田区が敗北。勝利した区は「非公式」に区境を1メートル相手側に移せるというルールがあり、現在の「非公式」区境は墨田区側に1メートル後退している。今年は参加チームを倍の10チームに増やす予定で、各チーム8~10人が参加するため、スタッフを含めると200人以上の規模となる。
桜橋は墨田区で唯一の歩行者・自転車専用橋で、X字型のデザインが特徴。映画「PERFECT DAYS」のロケ地としても知られている。1985(昭和60)年に墨田区と台東区の姉妹提携事業として架けられ、橋の中央部には両区の境界がある。大会ではその区境を挟み、両チームが綱を引き合う。橋の片側のみを会場として使うため歩行者の通行に支障はなく、観覧や応援も自由に行える。
同大会を発案した実行委員長の毛塚雅清さんは「墨田区と台東区は1977(昭和52)年から姉妹区関係にあるが、区民の認知は高くない。墨田区と台東区は隣り合う姉妹区でありながら、一緒に行う活動がほとんどない。老若男女を問わず誰でも参加できる綱引きを通じて、両区の交流を進めていきたい」と話す。
山口さんは「昨年は台東区に大敗を喫した。今年はチームを大幅に補強して雪辱を果たしたい。ただ勝負は真剣でも、本来の目的は交流。勝敗にこだわらず、オープンな気持ちで楽しんでほしい」と話す。
参加者の募集は終了しているが、観覧や応援は自由。山口さんは「応援のパワーが選手たちの力になる。橋の上から、両区の戦いをぜひ見届けてほしい」と呼びかける。
開催時間は10時30分~13時。雨天の場合は小梅小学校体育館(向島2)で開催する。桜橋での観覧は自由。大会終了後、食べ物や飲み物を持ち寄る交流会も予定する。