駐日ポーランド共和国特命全権大使ヤドヴィガ・ロドヴィッチ=チェホフスカさんが書いた戯曲が3月5日、両国の劇場「シアターX(カイ)」(墨田区両国2、03-5624-1181)で上演される。
ロドヴィッチさんはワルシャワ大学などで日本について学んだ能研究者で元女優。2008年から現職。2011年、ショパン生誕200年を記念した新作能「調律師 ショパンの能」をワルシャワ、東京、金沢で上演し成功を収めている。
「ポーランドの能」シリーズ第2弾となる「鎮魂(ちんこん)」は、東日本大震災を経験したロドヴィッチさんが「ふくしま」と第2次世界大戦での「ホロコースト」の悲劇を記憶する戯曲として書き上げたもの。物語は「震災で息子を亡くし、福島からポーランドに来た日本人が、アウシュヴィッツの犠牲者である青年の霊と出会うことから始まる」という。
前作に続いて、能舞台における日本公演とポーランドでの公演を目指している(2013年を予定)同作品を、今回は「戦争と震災の犠牲者を追悼する夕べ」と題して、能管(笛)を用いた能形式による詩劇(朗読劇)として上演する。朗読にはロドヴィッチさん自身がポーランド語で、能と狂言の演出家である笠井賢一さんが日本語で、古典研究者のピーター・マクミラン教授が英語で、それぞれ出演する。能管の演奏は藤田六郎兵衛さん。
開演は18時。料金は1,000円。