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すみだ北斎美術館で企画展「北斎サムライ画伝」 江戸の「サムライ」に焦点

北斎サムライ画伝のタイトルパネルと澁谷哲一館長

北斎サムライ画伝のタイトルパネルと澁谷哲一館長

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 企画展「北斎サムライ画伝」が12月14日から、すみだ北斎美術館(墨田区亀沢2)で始まる。

北斎サムライ画伝の様子

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 同館では葛飾北斎の作品から、さまざまなテーマで企画・展示を行っているが、今回は「サムライ」に焦点を当てる。展示作品数は前後期合わせて171点。「サムライの姿」「戦いの場面」「サムライの得物」の3章で構成する。

 企画展の見どころについて、学芸員の竹村誠さんは「北斎の描く波と刃文の波の共演が今回の見どころの一つ。北斎の代表作『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』、打ち寄せる波を表現している刀工『刀 銘 津田越前守助広延宝九年八月日』(刀剣博物館蔵)や重要文化財、『太刀 銘 信房作』(同)を並べて展示している」と話す。

「北斎が描いた読本の挿絵も見どころ。江戸時代の人は挿絵を通して想像力を膨らませていた。北斎もこの挿絵によって全国的な人気を得た。藍色の背景に2人の侍が争う様子が枠いっぱいに描かれた錦絵の武者絵シリーズは、躍動感が感じられる見応えある作品。全5図確認されている錦絵の武者絵シリーズのうち、展覧会前期に2点、後期に1点を展示する予定」とも。

  3階ホワイエ会場では、出品作品の中から「お気に入り」の作品に投票する「サムライ総選挙」を行うほか、ARで北斎が描いた侍たちと記念撮影ができるフォトスポットも用意。作品の世界観を詳しく知ることができる音声ガイドも初めて導入する。

 竹村さんは「士農工商のイメージがあるので、江戸時代は武士が頂点に立つ階級社会だと思われがちだが、北斎にとって侍は身近な存在だった。町人である北斎が見ていた、共に暮らしているように生き生きと描かれた侍の姿を、今までと違う視点で楽しめる。墨田区の誇りの葛飾北斎の新しい魅力を再発見しに、ぜひ足を運んでいただけたら」と呼びかける。

 開館時間は9時30分~17時30分。入館料は、一般=1,200円、高校生・大学生・65歳以上=700円、中学生=300円、小学生以下無料。音声ガイド=500円。月曜休館。前期=1月21日まで、後期=2月25日まで。

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