脳卒中当事者と健常者の垣根をなくし一緒に楽しめる場を提供するイベント「脳卒中フェスティバル2024」が10月27日、錦糸町マルイ前広場と同ビルのすみだ産業会館(墨田区江東橋3)で行われる。
2005(平成17)年に脳卒中で倒れた経験を持つ、同フェス実行委員長で理学療法士の小林純也さんが「『楽しい』が共通言語のイベントを用意することで、脳卒中当事者、医療者、そして当事者の家族、健常者も集まって『楽しかったね、あのイベント』と言い合えるような共通の体験を通じて、病気や障害に対する理解や、互いの立場への理解を深めたい」と始めた同イベント。
2017(平成29)年に初めて開催し、今年で8回目。墨田区での開催は昨年に続いて2回目。今年は脳卒中当事者にとって、大きな悩みの種の「就労問題」をテーマに、企業や就労支援事業所が出展し、障害当事者が就労体験できる場(キャリアランド)を設ける。
すみだ産業会館8階会場のステージイベントでは、脳卒中サバイバーに対する課題と解決策について、リハビリ専門職、脳卒中当事者、復職支援事業所が討論する「復職サミット」や小林さんと実業家の大久保秀夫さんのトークイベントのほか、くも膜下出血からの復活を果たした「T-BOLAN」上野博文さんと森友嵐士さんのトークショー「なぜ彼は『奇跡の男』となれたのか」を行う。ステージのエンディングでは、脳卒中当事者と健常者で結成されたパフォーマンスユニット「STROKERS」や障害者アーティスト「SABO10」さん、筋ジストロフィーを抱える歌手の小澤綾子さんらが出演するライブも行う。
同館8階では料理・スポーツ・ピアサポート・装具相談・脳フェスツアー・ハンドアロマ・写真館などを体験できる「脳フェスブース」、最新のリハビリ関連機器体験や情報を発信する「リハビリマッチング」、着やすくおしゃれな服を着て写真を撮影できる「あなたとファッションショー」などのブースが出展する。イメージキャラクター「脳フェスちゃん」を探し出し、写真に収める「脳フェスちゃん探し」も行う。
錦糸町マルイ前広場では、青森県のねぷた祭りで話題となった「脳フェスちゃんねぷた」の展示をはじめ、オフロード走行可能なキャタピラ車いすなどに試乗できるハイパーモビリティーショーコーナーも設ける。
小林さんは「当イベントは脳卒中の当事者が全国から集まる場。自分よりも重い障害を抱えている人が頑張っている姿を見ることで、自分も頑張ろうと思えるという人が多い。ここで当事者同士が情報を交換したり、コミュニティーに発展したりするケースもある。イベントを楽しみながら、自分自身に活力や勇気を与えてくれるので、一歩踏み出したいけど踏み出せない当事者の方や支援者の方には、ぜひお越しいただければ」と来場を呼びかける。
開催時間は10時~20時。入場無料。参加には専用の申し込みフォームから事前申し込みが必要。トークショー「なぜ彼は『奇跡の男』となれたのか」は、一般=2,000円、障害当事者=1,000円。