
ハンドボール男子・リーグHの「ジークスター東京」が3月28日、ひがしんアリーナ(墨田区錦糸4)でトヨタ自動車東日本レガロッソ宮城と対戦し、28-23で勝利した。16勝2分とし、無敗記録を維持するとともに、リーグHで最も早くプレーオフ(PO)進出を決めた。
ジークスター東京は、墨田区を本拠地とする2020年創設のプロハンドボールクラブ。地域に根差した活動にも力を入れ、ホームゲームでは地元住民や家族連れの姿も多く見られる。この日は1288人が来場し、会場は試合前から熱気に包まれた。
試合は前半序盤、相手の堅守に苦しみ得点が伸び悩んだが、日本代表の玉川裕康選手と部井久アダム勇樹選手が中央で守備の要となり、GK矢村裕斗選手も好セーブを連発。中盤には中村翼選手らによる7連続得点で一気に突き放し、後半も堅い守備からの速攻で主導権を握った。
試合後、佐藤智仁監督は「私たちにはタレントがいるが、まだ一度も優勝していない。一戦一戦、勝ちにこだわって臨みたい」と気を引き締める。玉川選手は「ほっとしている。昨シーズンはPO進出がぎりぎりだったので、今シーズンは成長を感じられている」と話す。
今季のジークスター東京は、接戦をものにする「負けない強さ」が際立つ。その背景には、「30分ハーフを10分×6本のゲームと捉え、10分ごとに勝ち切る意識」があるという。
玉川選手のゴール時に会場で流れる曲が、今年から童謡「いとまきのうた」に変更されたことも話題に。以前はSNSで人気を集めた「猫ミーム」の曲を使っていたが、「ファンと一体になれるような曲を選びたい」と、子どもも楽しめる選曲にしたという。
得点の度に「いーとーまきまき、ひーいてとんとんとん」と流れ、子どもだけでなく大人のファンも手拍子を合わせて盛り上がる場面も。会場の一体感を演出するユニークな工夫として注目を集めている。
プレーオフは6月に行われる。