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向島で「民謡こども食堂」 子どもたちの居場所づくりと文化発信の場に

食事の様子(写真提供=小野ともひでさん)

食事の様子(写真提供=小野ともひでさん)

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 向島の民謡酒場「栄翠」(墨田区向島4)で4月25日、「民謡こども食堂」が開かれた。主催は、地域の子どもたちの居場所づくりと食支援活動に取り組む「民謡未来ネットワーク」。

民謡こども食堂

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 同ネットワークは、放課後の学習支援を行う「すみだふれあい寺子屋(居場所事業)」と、食事を提供する「民謡子ども食堂(食支援事業)」を併せ持つ形で運営。民謡歌手・小山みつなさんによるレッスンや学びの時間の延長線上で、子どもたちが一緒に食卓を囲んでいる。

 同ネットワーク代表の小池梨沙さんは「背景には、民謡文化の発信拠点としての場づくり、地域に残る民謡酒場の存続支援という思いがある」と話す。かつて上野・浅草かいわいには約200軒の民謡酒場があり、地方出身者たちが故郷を思い出して集った歴史があるが、現在、都内では台東区に2軒、墨田区に1軒を残すのみになっているという。

 こうした背景の中、「子どもたちに民謡文化を自然に感じてもらう場づくりと文化発信拠点の役割を目指して開いたのが『民謡子ども食堂』」と小池さんは話す。

 初日は、子ども13人、大人7人が参加。こどもの日にちなんだ「ちまき味おこわ風」「よもぎ風白玉団子」、足立区の農家から寄付されたフキの煮物などが食卓に並んだ。調理はベジモア食育協会の高橋思歩さんが担当。若手の民謡研究家や三味線演奏家らもスタッフとして関わった。

 小池さんは「居場所事業では、あえて『民謡』という言葉を使わず、『ふれあい寺子屋』という名前にした。民謡に興味がなくても、気軽に集まれる場にしたかった」と話す。今後については、「夏休みには子どもたち自身が作る子ども食堂を開きたい。民謡を知らない子どもも、興味がある子どもも、どちらも歓迎。街の中に民謡が自然にある、そんな日常を届けたい。面白そうな場所にふらりと来たら、民謡というものをやっていた、そんな存在になれれば」と話す。

 開催時間は、毎月最終金曜の18時~19時。8月は毎週開催する予定。

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