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すみだ北斎美術館で「美人画展」 美人画のルーツや歌麿など名手作品も

企画展「北斎とめぐる美人画の系譜~名手たちとの競演~」

企画展「北斎とめぐる美人画の系譜~名手たちとの競演~」

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 宮川長春から勝川春章、葛飾北斎へと引き継がれた美人画の源流に着目した企画展「北斎とめぐる美人画の系譜~名手たちとの競演~」が9月16日から、すみだ北斎美術館(墨田区亀沢2)で始まる。

北斎とめぐる美人画の系譜~名手たちとの競演~

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 江戸時代の浮世絵の中でも人気のジャンルだったと「美人画」。北斎は風景画の巨匠として知られるが、若き日から壮年期にかけては数多くの美人画を手がけており、その作品群は画号の変遷や画風の変化とともに大きく展開していったという。同展は、北斎の美人画を時系列でたどりながら、師系や同時代の名手、門弟らの作品を交えて立体的に紹介する。

 展覧会は4章構成。 第1章「北斎の源流」では、宮川長春や勝川春章の作品とともに北斎初期の美人画を展示し、正統派美人画の系譜に位置付けられる作品を示す。

 第2章「美人画の名手へ」では、春章の没後に北斎が宗理と改めて制作した美人画を取り上げる。狂歌の世界と関わりながら多くの美人画を制作したこの時期は、洒落本『大通語』にも紹介され、美人画家としての名声を確立する契機となった。

 第3章「浮世絵の爛熟とともに」では、文化・文政期に流行した華やかな女性像を背景に、北斎が壮年期に描いた肉感的で艶やかな美人画を紹介する。あわせて渓斎英泉や歌川国貞らの作品も展示され、時代の爛熟期における美人画の広がりを体感できる。

 第4章「北斎の系譜に連なる者」では、弟子や孫弟子を含め約200人とされる門人の中から美人画を得意とした絵師の作品を紹介。娘の葛飾応為による「蝶々二美人図」をはじめ、蹄北馬や魚屋北溪、さらに謎の絵師・天淵道人の作品も展示され、北斎の美人画がどのように継承され、多彩に展開していったかを示す。

 会期中、来館者向けの体験企画も複数提供する会場では作品解説のARコンテンツや鑑賞ワークシート、人気投票を用意し、参加型の鑑賞を楽しめる。10月18日には「椿と美人」をテーマにしたワークショップも予定。北斎を身近に感じられるプログラムとなっている。

 開館時間は9時30分~17時30分。休館日は月曜(祝日の場合は翌平日)。観覧料は一般1,200円、高校生・大学生800円、65歳以上900円、中学生以下は無料。前期=9月16日~10月19日。後期=10月22日~11月24日。

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