
今年で38回目を迎える「国技館5000人の第九コンサート」が2月23日、両国国技館(墨田区横網)で行われた。主催は「国技館すみだ第九を歌う会」と墨田区。
「国技館5000人の第九コンサート」は1985(昭和60)年、両国に国技館が戻ることを祝う行事として始まった。以来、「その感動を多くの人々に届けること」を目的に毎年開催されてきた。今回のテーマは「第九でつなごう 世界の輪」。第九が伝える愛と平和のメッセージを世界に発信するため、合唱団が練習を重ねてきた。
当日は、全国各地から集まった7歳から96歳までの合唱団約5000人が参加。会場は、歌声を楽しもうと訪れた観客で満席となった。
第1部は、日本相撲協会の協力で太鼓と拍子木で幕開け。続いて、墨田区に拠点を構える「新日本フィルハーモニー交響楽団」がブラームスの「大学祝典序曲 作品80」を演奏した。
第2部では、大友直人氏の指揮の下、4人の独唱者と5000人の合唱団がベートーベンの「交響曲第九番 ニ短調 作品125『歓喜によせて』」を披露。迫力ある歌声が国技館に響き渡った。
墨田区文化芸術振興課の担当者は「今年は戦後80年の節目の年。関東大震災や東京大空襲を経験した当区として、ベートーベンが第九に込めた平和への思いを次世代に引き継いでいきたい」と話す。