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隅田公園がリニューアル ひょうたん池を拡張、遊歩道やカフェ整備も

リニューアルオープンした隅田公園

リニューアルオープンした隅田公園

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 隅田公園(墨田区向島1)で3月30日、再整備第2期工事の完了を記念するリニューアルオープンセレモニーが行われた。

隅田公園リニューアルオープンセレモニーの様子

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 隅田公園のルーツは江戸時代にさかのぼり、水戸徳川家の下屋敷(蔵屋敷)として使用されていた「小梅邸」があった場所にあたる。明治に入ると本邸として使われていたが、関東大震災で焼失。その後、帝都復興事業により、日比谷公園・浜町公園と並ぶ「三大震災復興公園」の一つとして整備された。

 1975(昭和50)年には東京都から墨田区に移管され、1977(同52)年には区政施行30周年を記念して大改修が行われた。今回の再整備では、震災復興時の楕円(だえん)園路の再現や、池の拡張による日本庭園の景観向上を通じて、歴史的・文化的価値を最大限に活用。老朽化した施設の更新や園路の見通し確保といった安全面の改善も図り、公園のさらなる魅力向上を目指している。

 当日は、来賓や関係者など約50人が参加し、公園の新たな門出を祝った。セレモニーでは山本亨墨田区長が「第1期工事で誕生した『そよ風ひろば』が地域のにぎわいを生み出した。今回の第2期工事では、歴史と文化の価値を保存しながら、安全で誰もが憩える空間を整備した」とあいさつ。

 続いて登壇した佐藤篤区議会議長は「公園は単なる休息の場ではなく、人と人とがつながり、まちが変わる場所になる」と述べ、公園の再定義について国の方針と区の取り組みを交えて強調した。

 来賓の紹介に続き、施工監修に携わった千葉大学の藤井英二郎名誉教授が登壇。江戸時代の水戸徳川家の下屋敷に由来する歴史や、明治天皇の行幸、関東大震災後の震災復興公園としての役割など、隅田公園の歩みを紹介した。

 設計を手がけた上野デザインの上野泰さんは、「新しさと懐かしさの共存」「既存資材の再利用」「歴史的意匠の復元と引用」を基本方針に掲げた整備コンセプトを説明した。

 4月からは、区立公園として初めて指定管理者制度が導入され、東武鉄道が代表企業を務める「すみだパークマネジメントグループ」が管理を担う。東武鉄道の岩瀬豊常務執行役員は「公園が地域とつながり、暮らしと観光の回遊性を高める拠点となるよう努める」とあいさつした。

 園内には4月下旬、カフェのオープンも予定されており、この日は来場者に、老木化などにより伐採された桜の木を再利用した記念タンブラーが配布された。

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