東武鉄道は展望車両634(むさし)型「スカイツリートレイン」の車内に東京スカイツリーからの眺望をテーマにした特別ラッピングを施し、3月19日から運行を始めた。
同車両は昨年10月末に団体専用列車として登場し、11月末から臨時特急列車となり、現在(6月30日まで)は土曜・日曜・祝日を中心に、両毛地域、大宮、日光・鬼怒川と浅草を結ぶ(いずれも「とうきょうスカイツリー駅」に停車)臨時特急列車として運行。沿線の風景を堪能できるよう屋根から回り込む天窓のような展望窓やイベントスペース、各客室に設置した映像モニター、全座席にスカイツリーの公式キャラクター「ソラカラちゃん」のシルエットなどをあしらったデザインなど、観光列車仕様で人気を集めている。
今回の特別ラッピングでは、車内の壁・床・扉を車両ごとに異なる4つのテーマで演出。1号車はスカイツリー「天望デッキ」に展示してある江戸時代に描かれた鳥瞰(ちょうかん)図「江戸一目図屏風」の世界を、2号車は展望台から望む富士山・白根山・浅間山などの山々の姿を、3号車は時間とともに変化する眺望の一日の移り変わりを、4号車は象徴的な風景をもとにしたスカイツリーの一年を、それぞれ表現。車内床面には「天望デッキ フロア340」のガラス床から見える眺めも再現した。
初日は日本国際協力センターが実施する被災地訪問プログラム「キズナ強化プロジェクト」で来日したフィリピンの大学生82人ほかを乗せての特別運行。一行は浅草駅長と「ソラカラちゃん」の出迎えを受けて福島へ出発し、車内では会津地方の郷土玩具「起き上がり小法師(ぼし)」などを贈られた。同車両も今後は会津方面への乗り入れを計画し、観光面から復興支援に貢献していく予定。