東武スカイツリーラインの始発ターミナルである浅草駅ビル(台東区花川戸1)が11月21日、新商業施設「EKIMISE(エキミセ)」として全館リニューアルオープンした。
同駅ビルは1931(昭和6)年、それまで現「とうきょうスカイツリー駅」(当時はこちらが浅草駅)」始発だった東武伊勢崎線を直接ビルの2階に乗り入れるかたちで「浅草雷門駅」として開業。地下1階から地上7階まで「松屋浅草支店」を併設し、関東初の本格的な百貨店併設ターミナルビルとしてにぎわいを見せた。東武鉄道は昨年から同駅の改装を順次進め、5月18日には1974(昭和49)年の改修工事で取り付けられたカバー材(アルミルーバー)を全面的に取り除き、「東京スカイツリータウン」の開業に合わせて、外壁に81年前の開業当時のネオルネサンス様式の面影を再現。建設当時にシンボルとして設置されていた大時計を、当時のデザインを参考にしながら4方向に復元した。
「エキミセ」は浅草の象徴である「仲見世」のにぎわいと、日光・鬼怒川方面の玄関口として人の集まるターミナル駅である立地特性からのネーミング。地下1階・1階・3階で営業を行っている百貨店「浅草松屋」に加え、休眠中だった4階~7階の内装を一新し、ファッションや生活雑貨・レストランなど52店を新設。延べ床面積は約3万4613平方メートルで、「浅草プラットフォーム(人が行き交う場所)」をコンセプトに、1駅隣の「東京ソラマチ」に続くイースト東京エリアの新名所を目指す。
フロアを刷新した4階~6階は、主に地域の住民や通勤・通学で駅を訪れる人を対象にしたゾーン(29店)。4階は着付け教室やきものレンタルなども行う呉服・和装品の「なでしこ」(新業態)をはじめとする、女性向けのショップを中心にしたファッションフロア、5階はファミリー向けのユニセックスファッションフロア、6階は浅草初の総合家電専門店となる「ノジマ」で構成する。
7階と屋上は浅草の新しい観光スポットをテーマにしたゾーン「駅見世小路」。7階の北側を占める「EAST-TOKYOマーケット わのいち」は日本の「ものづくり」に焦点を当て、伝統の技術が息づく和ファッションや小物、スーベニール雑貨などを集めたエリア。愛媛の今治タオル専門ショップが東京に初出店した「今治極上手巾 伊織」や、沖縄発のテキスタイルブランド「KUKURU(ククル)」の東京旗艦店、国技館公認の相撲グッズを集めた「好角家(こうかくや)」(新業態)、京都の東映太秦映画村発祥の忍者・戦国グッズの「忍屋」(関東初出店)など個性的な16店が軒を連ねる。
同南側は飲食店を集めたレトロモダンな内装のエリア「駅見世ごはん」。島根県隠岐郡海士(あま)町の観光協会がプロデュースする全国の離島から直送される食材を使ったカフェ・レストラン「離島キッチン」(東京初出店)など7店で構成。
2010年まで日本最古の屋上遊園地「プレイランド」が置かれていた屋上階には、展望デッキや休憩スペースから成る開放感あふれる広場「浅草ハレテラス」が誕生。同デッキからはスカイツリーが足元から頂上まで一望できる。
今月25日まではスカイツリー「天望」デッキ入場券などが当たるプレゼントキャンペーンを実施中。営業時間は、ショップ=10時~20時、レストラン=11時~22時ほか。