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すみだ北斎美術館で企画展「北斎が紡ぐ平安のみやび」 江戸の「平安」像描く

開会式であいさつする澁谷哲一館長

開会式であいさつする澁谷哲一館長

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 すみだ北斎美術館(墨田区亀沢2)で9月18日、企画展「北斎が紡ぐ平安のみやび-江戸に息づく王朝文学」が始まった。

「貴人と官女図」

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 「江戸時代までに伝わった平安時代の暮らしや王朝文学」に焦点を当てる今回。展示作品数は前後期合わせて111点。「『みやび』なイメージの形成」「描かれた王朝文学」「王朝文学ゆかりの意匠」の3章で構成する。

 見どころについて、学芸員の千葉椎奈さんは「江戸時代は平安時代の研究や古典の教育、出版の隆盛などの背景から、宮廷の風俗や文学の絵画化が盛んになった。当展では、北斎や一門が描いた『源氏物語』『枕草子』『伊勢物語』など、平安時代や王朝文学を主題とした作品を展示し、彼らが抱いた平安時代のイメージや王朝文学の世界観とその広がりを紹介している」と解説する。

 作品の見どころについては、「『枕草子を読む娘』(作品番号3=前期のみ展示)は振袖新造(遊女に付き従う禿から新造級に上がったばかりの若い遊女)と思われる美人が『枕草子』と書かれた書物を読んでいる。平安時代には貴族たちの読み物だった『源氏物語』『枕草子』が一般に流通していたことを示している」と解説。

 貴人が華やかな装束の女性たちを垣間みる場面を描いた「貴人と官女図」(同34=前期のみ展示)については、「貴人が垣根越しに屋敷の女性をのぞくという構図は『源氏物語』の第五帖『若紫』や第四五帖『橋姫』を題材にした作品でも定型化されている」と千葉さん。

 その他、「伊勢物語」を題材とした「諸国名橋奇覧 三河の八つ橋の古図」(同71-2)や「枕草子」を題材にした「五歌仙 梅花」(同81=前期のみ展示)などの作品も見どころとして紹介する。

 関連イベントとして、9月28日に「十二単(ひとえ)着装実演-現代に息づく平安のみやび」を開くほか、10月5日、11月2日には担当学芸員によるスライドトークを予定する。

 開館時間は9時30分~17時30分。月曜休館(休日振替)。観覧料は、一般=1,000円、高校生・大学生・65歳以上=700円、中学生・障害者=300円、小学生以下無料。前期=10月20日まで、後期=11月24日まで。

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