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両国で南仏プロヴァンスの伝統銘菓「カリソン・デクス」がひそかなブームに

店長のダニエル・フィリットさんは気さくな人柄。「フランス語を学んでいる人も、ぜひ気軽に遊びに来て」とも。

店長のダニエル・フィリットさんは気さくな人柄。「フランス語を学んでいる人も、ぜひ気軽に遊びに来て」とも。

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 両国駅近くに昨年末オープンした「カリソン・デクスとプロヴァンス特産品の店」(墨田区両国4、TEL03-3633-2344)で販売する「カリソン・デクス」という聞き慣れないお菓子が、今ひそかな人気を集めている。

簡易パッケージの4個入りお試し用「カリソン・デクス」

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 「Calissons d'Aix(カリソン・デクス)」は画家のセザンヌの出身地として知られる、南仏プロヴァンス地方の古都エクサンプロヴァンス市の伝統銘菓。1473年にプロヴァンス王国でルネ王とジャンヌ王妃の婚礼が行われた際、王妃に対する愛と尊敬を込めて宮廷菓子職人に作らせたというレシピが現代に伝わる。同地方の特産であるアーモンドを細かく砕き、メロンやオレンジピールなどのフルーツ・コンフィ(砂糖漬け)を練り込んでアーモンド型に型抜きし、表面にアイシングを施したものだが、生産に関しては厳格な基準があり、それを満たした製品だけが「カリソン・デクス」を名乗ることができる高級品。同地方では伝統的な「クリスマスの13のデザート」の一品として、これからの季節に欠かせないスイーツとして今なお愛されているという。

 同店では現在エクサンプロヴァンス市に90社程あるメーカーの中から、店長のダニエル・フィリットさんが厳選した「Léonard Parli(レオナール・パルリ)」社と「d'Entrecasteaux(ダンドロカスト)」社の製品を中心に直輸入して販売。プロヴァンス生まれのフィリットさんは奥さんのタエさんとカナダで知り合い、昨年12月にタエさんの実家のある墨田区で故郷の特産品を紹介する同店をオープンした。「カリソン・デクスは笑顔のなかったジャンヌ王妃をほほ笑ませたという伝説のお菓子。実際、主原料のアーモンドには抗酸化作用のあるビタミンEや悪玉コレステロールを抑えるオレイン酸がたくさん含まれていて、エレガントな食感だけでなく、ヘルシーで心と身体を癒やしてくれるスイーツとして日本の皆さんに自信をもっておすすめできる」とフィリットさん。

 今年のはじめ、フランス語圏の情報を配信するポッドキャスト番組「Chocolat(ショコラ)」で紹介され、フランス語を学習する日本人を中心に、「カリソン・デクス」という変わった名前と不思議な形状や独特の食感、ほかに扱っている店がほとんどないというめずらしさから、話題の輪を広げてきた。最近ではクリスマスシーズンの新しいギフト用スイーツとして、地元でも注目を集めはじめているという。

 店内では、生産量が少なくフランス国外で手に入れることはまれなプロヴァンス産オリーブオイルや、南仏料理に欠かせないタプナードのペーストやオーガニックハーブ、ラベンダー雑貨なども販売。フィリットさんは「小さな店だが、ここには故郷のおいしいものを集めた。日本語でも説明できるように現在勉強中なので、スカイツリーや相撲観戦の帰りに気軽に立ち寄って」と来店を呼び掛ける。

 「カリソン・デクス」はレオナール・パルリ社のものが、44グラム=700円、230グラム=3,150円、100グラム(ミニサイズでカラフルなアイシング)=1,550円。ダンドロカスト社のものが160グラム=2,100円、250グラム=3,150円。簡易パッケージの4個入り(500円)のお試し商品も用意。

 営業時間は10時~19時。日曜・月曜定休。アマゾン内のオンラインショップでも商品の一部を販売する。

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