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すみだ郷土文化資料館で「日活向島撮影所展」-写真・脚本などを展示

「すみだ郷土文化資料館」TEL:03-5619-7034

「すみだ郷土文化資料館」TEL:03-5619-7034

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 区の歴史・民俗資料などの収集や保存・活用の拠点である「すみだ郷土文化資料館」(墨田区向島2)で現在、特集展示「日活向島撮影所展」が行われている。

同展ポスター

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 1912(大正元)年に4つの活動写真会社の合併で創立した日活は、翌1913(大正2)年に南葛飾郡隅田村(現・墨田区堤通2)に「向島撮影所」を建設。1923(大正12)年の関東大震災により閉鎖されるまで、主に「新派映画」とよばれる現代劇を約760本製作し、先駆者である田中栄三監督などが活躍し、後に巨匠となる溝口健二監督をはじめとする、日本映画界を担う多くの人材を輩出した。

 同展では、同社の撮影技師だった樋口哲雄カメラマンの2人の息子が所蔵する写真資料を中心に当時をしのぶアイテムや、別荘地が多く風光明媚(めいび)な土地だったという撮影所周辺の風景、そこで働く人々の様子、そこから生まれた作品などを紹介する。

 トルストイの小説を原作に島村抱月の芸術座が公演して一世を風靡(ふうび)した「復活」を映画化し、初期の大ヒット作となった1914(大正3)年の「カチューシャ」はポスターの複製(東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵)や撮影台本(早稲田大学坪内博士記念演劇博物館所蔵)などを展示。奔放な恋愛遍歴と後にソ連に亡命したことで知られる女優・岡田嘉子の初主演映画「髑髏(どくろ)の舞」(1923年、田中監督)の脚本なども見られる。

 同フィルムセンター所蔵の「乃木将軍」(1918年、小口忠監督)、「金色夜叉(やしゃ)」(同、小口・田中監督)、「生ける屍(しかばね)」(同、田中監督)などのスチール写真(複製)も、同撮影所のフィルムがほとんど現存していないことから、貴重な資料といえる。

 会場では、大震災当日の様子を同撮影所のカメラマンが撮影した無声・染色の映像作品「関東大震災実況」(同フィルムセンター所蔵)も上映している。

 開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。入館料は100円。11月4日まで。

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