墨田区を拠点とするプロeスポーツチーム「INSOMNIA(インソムニア)」(墨田区文花1)が7月9日、墨田区のホームタウンeスポーツチームに承認され、両国国技館で承認式が行われた。同日、墨田区、学校法人電子学園、インソムニアを運営するINSの3者が「eスポーツの普及および発展に関する協定」を締結した。自治体、教育機関、プロeスポーツチームによる公民学連携の協定は全国初という。
インソムニアは2025年、「ポケモンユナイト」のアジア大会で優勝し、世界大会に出場。子ども向けeスポーツ体験会や地域の清掃活動などにも取り組んできた。
山本亨墨田区長は「新たな地域資源としてeスポーツを積極的に支援し、地域のにぎわい創出だけでなく、教育などさまざまな地域課題の解決につなげたい。多くの区民や事業者から親しまれ、愛されるチームとなるよう、墨田区として全面的に応援していきたい」と期待を寄せた。
協定では、eスポーツの普及や人材育成に加え、高齢者の健康づくり、若者の居場所づくり、多世代交流、産業振興などで連携する。今年5月に墨田区役所で行われたパブリックビューイングには、10代から80代まで幅広い世代が参加したという。
墨田区のものづくり産業との連携も進める。インソムニアは区内のサトウ化成と、選手が遠征時に使うゲーミングデバイス専用のアタッシェケースを共同開発。高価なキーボードやマウスを安全に持ち運びたいという選手の課題を製品化につなげた。
INSの本橋壮太社長は「ゲーマーが抱える課題やニーズを、ものづくり企業と連携して解決したい。インソムニアと墨田区だからこそ生まれる新しい価値や産業をつくっていきたい」と話す。
本橋社長は、墨田区に拠点を置いた理由について「いくつもの自治体とコミュニケーションを取る中で、墨田区はiUを含めeスポーツに非常に前向きだった。両国国技館というeスポーツの大会会場や東京スカイツリーなどの観光資源もあり、新しいスポーツの形に取り組む上で非常に良いパートナーだと感じた」と振り返った。
INSは今回の協定を「ゴールではなくスタート」と位置付け、「場」「人」「経済」の3つを軸に取り組みを進める。区内の空き家や空き会場を活用し、eスポーツを観戦し、プレーし、応援できる常設拠点の整備を目指すほか、大学との教育・研究連携を通じた人材育成、区内企業との協業による新製品や新産業の創出に取り組む。