新日本フィルの新シーズン開幕-音楽監督アルミンクさん、有終の美

写真:アルミンク&新日本フィル
(c)HARUKI
※アルミンクが音楽監督就任当時から重点的に取り上げていたブラームス。今回の大作「ドイツ・レクイエム」ではオランダの巨匠ブリュッヘンの信望厚いリーサ・ラーションをソプラノに起用。またブリテンの「イリュミナシオン」は通常テノール歌唱が多いが、こちらも同曲を得意とする彼女が歌う。

写真:アルミンク&新日本フィル (c)HARUKI ※アルミンクが音楽監督就任当時から重点的に取り上げていたブラームス。今回の大作「ドイツ・レクイエム」ではオランダの巨匠ブリュッヘンの信望厚いリーサ・ラーションをソプラノに起用。またブリテンの「イリュミナシオン」は通常テノール歌唱が多いが、こちらも同曲を得意とする彼女が歌う。

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 すみだトリフォニーホール(墨田区錦糸1)を本拠地とする「新日本フィルハーモニー交響楽団」が定期演奏会の2012-2013シーズンをスタートさせた。

今季で音楽監督から退くクリスティアン・アルミンクさん (c)HARUKI

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 開幕プログラムは同ホールを会場とする「トリフォニー・シリーズ」が9月14日と15日、前半に、20世紀初頭の英国に生まれたブリテンが19世紀フランス詩人ランボーの難解な詩をテキストにした歌曲集「イリュミナシオン」から。後半には厳粛で荘厳なレクイエムの傑作の一ひとつ、ブラームス作曲の「ドイツ・レクイエム」を演奏する。サントリーホール(港区)を会場とするシリーズでは9月7日にフランツ・シュミットの歌劇「ノートルダム」からの3曲、モーツァルトの交響曲第31番「パリ」、ドビュッシーの「管弦楽のための映像」などを取り上げた。指揮はいずれも同楽団の音楽監督を務めるクリスティアン・アルミンクさん。

 アルミンクさんは1971年オーストリア生まれ。同楽団の設立者の一人である小澤征爾さんとの関わりも深く、ヨーロッパ各地でオペラ指揮者として活躍後、2003年に32歳という異例の若さで音楽監督に就任。当時の日本では無名に近い存在だったが、シーズン・テーマを掲げたプログラミングや、現代作品・オペラ・声楽作品にも積極的に取り組み、日本のクラシックシーンに新風を吹き込むとともに、同楽団の成長にも貢献した。来年の8月をもって音楽監督から退くことが決まっており、今シーズンでは、自身が敬愛するシューマンの交響曲第4番(来年4月、すみだトリフォニー)やブルックナーの交響曲第5番(同、サントリーホール)などから、最後の公演となるマーラーの交響曲第3番(来年8月、すみだトリフォニー)まで、アルミンクさんとの実り豊かな10年を締めくくるにふさわしいプログラムが用意されている。

 今シーズン同楽団は創立40周年を迎え、縁の深い大野和士さんや下野竜也さん、井上道義さんなどの日本人指揮者も登場。500回目の定期演奏会(今年10月)を祝して第1回演目だったベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」を指揮する東ドイツ出身のヴォルフ=ディーター・ハウシルトさんや、「Music Partner of NJP」として3年目を迎えた世界的人気指揮者、ダニエル・ハーディングさんが初めて指揮するチャイコフスキーの交響曲第4番(今年11月、サントリーホール)、マーラーの交響曲第6番「悲劇的」(来年6月、すみだトリフォニー)、最も重要な作曲家という、シューマンの交響曲第3番「ライン」(同、サントリーホール)などの公演にも注目が集まっている。

 同楽団チケットボックスではシリーズ連続券や5枚以上の同時予約で料金が2割引きとなる「チケット・マイプラン」などの利用を勧すすめている。詳細はホームページで確認できる。

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