開館10周年記念特別展「ベスト オブ すみだ北斎美術館−隅田川両岸景色図巻と名品−」が9月15日、すみだ北斎美術館(墨田区亀沢2)で始まった。開幕を前に14日、関係者・報道関係者向けの内覧会が行われた。
同館は葛飾北斎の生誕地に2016(平成28)年11月に開館。10周年の節目に、これまで展覧会で紹介してきた作品に加え、未公開作品や新規収蔵作品など、同館が所蔵する北斎と門人の作品を幅広く展示する。
今回は特定のテーマを設けず、北斎作品そのものを見てもらうことを重視した。会場は3階・4階の企画展示室を使い、「北斎の肉筆画」「北斎の錦絵」「北斎の摺物(すりもの)」「北斎の版本(はんぽん)」「魅力的な門人」の全5章で構成。各学芸員が選んだ「推し」の作品をコメント付きで紹介するほか、作品の細部を確認できる拡大パネルも設けた。
最大の見どころは、全長約7メートルの肉筆画「隅田川両岸景色図巻」。隅田川両岸の風景や人々の姿を描いた作品で、現存する北斎作品の中で最も長いとされる。戯作(げさく)者・烏亭焉馬(うてい・えんば)の依頼を受け、現在の墨田区内にあった焉馬宅で描かれたことが明らかになっている。明治期に海外へ流出した後、約100年ぶりに制作地の墨田へ戻った。
同館の作品調査から、別々に所蔵されてきた北斎の肉筆画4点が、かつて同じ貼り交ぜびょうぶを構成していた可能性が高いことも分かった。手がかりとなった表具の裂地(きれじ)などを元に、個人蔵の「節季候図(せきそろず)」と館蔵の「雀と罠図」を並べて初公開する。
このほか、「冨嶽三十六景」シリーズをはじめとする錦絵、珍しい落款を持つ摺り物、北斎が絵師として活動を始めた翌年に刊行された版本、魚屋北溪(ととや・ほっけい)や蹄斎北馬(ていさい・ほくば)、「二代葛飾北斎」など門人の作品も紹介する。会期中は一部作品を入れ替え、前期を10月18日まで、後期を10月21日からとする。
開館時間は9時30分〜17時30分。月曜休館(9月21日、10月12日、11月23日は開館。9月24日、10月13日は休館)。10月20日は展示替えのため特別展のみ休室。観覧料は、一般=1,500円、65歳以上・高校生・大学生=1,000円、中学生=500円、小学生以下無料。11月23日まで。