見る・遊ぶ 学ぶ・知る

錦糸町で大宮透小布施町長が講演 北斎の縁で結ぶ友好交流30周年

小布施町のまちづくりと墨田区との交流について語る大宮透町長

小布施町のまちづくりと墨田区との交流について語る大宮透町長

 長野県小布施町の大宮透町長による講演会「小布施町の魅力と墨田区との交流」が10月3日、すみだ産業会館(墨田区江東橋3)で開かれた。

小布施町の大宮透町長(左)と墨田区の山本亨区長

[広告]

 墨田区と小布施町の友好協力協定締結30周年を記念した同講演会。墨田で生まれた葛飾北斎が、晩年に小布施を訪れ、多くの作品を残した縁から交流が始まり、1996(平成8)年5月に協定を締結した。

 大宮町長は、小布施町を人口約1万1000人、面積19.12平方キロメートルの長野県で最も面積が小さい自治体と紹介。「栗と北斎と花のまち」を掲げ、農業や文化、景観を生かして進めてきたまちづくりについて説明した。

 特産の栗は約600年の歴史があるとされ、栽培から加工、販売までを町内で見られることが特徴という。農業の担い手の高齢化に対し、新規就農者の受け入れや若手農家による販路拡大を進めていることも紹介した。

 景観づくりでは、1980年代から建物や路地を周囲の風景になじませる「修景」に取り組んできたと説明。私有地と公共空間の境界を意識させず、観光客も住民も歩いて楽しめる空間をつくってきた。現在は、町の中心部を通る国道403号について、住民や県、国と連携し、人が行き交う小布施らしい道に変える検討を進めているという。

 墨田区との交流については、伝統工芸関係者が小布施の秋の収穫祭で工芸品を販売する取り組みや、北斎館とすみだ北斎美術館の連携、小学生の文化体験、少年野球やボッチャなどの事例を紹介。自身も大学院生の頃に墨田区京島の長屋で暮らしていた経験を振り返り、墨田との個人的な縁を語った。

 今後については、都市部と地方が「健全な共存・共栄」の関係を築くことの大切さを強調。北斎や芸術、スポーツを通じた交流に加え、両地域の観光や催しを互いに紹介する連携にも意欲を示した。防災面では、これまでも町外から人を受け入れてきた歴史に触れ、都市部で困難が生じた際に頼れる場所であり続けたいとの考えを述べた。