特集

すみだ経済新聞 キーパーソンインタビュー【後編】
経営者を支える仕事へ 長尾円さんが語る組織開発と地域企業支援

後編

経営者を支える仕事へ 人材育成から組織開発へ

すみだ経済新聞:
CA受験支援や人材育成を続ける中で、仕事はどのように広がっていったのでしょうか。

長尾円さん:
当時は30代前半でしたが、女性でコーチングを専業にしている人はほとんどいませんでした。

そのため、人づてに私を見つけてくださる方とのご縁から仕事が広がっていきました。

「できますか」と聞かれたら「やります」と答えてきました。
その積み重ねが今につながっています。

最初は小さな依頼からでしたが、その仕事を見た方が興味を持ってくださり、人事部長や人材開発室の責任者から声を掛けていただくようになりました。

すみだ経済新聞:
そのひとつがパルシステムさんですね。

長尾円さん:
パルシステムさんとは20年以上のお付き合いになります。

人材開発室が立ち上がったばかりの頃から関わり、人材育成の仕組みづくりである「パルカレッジ」の構築を支援しました。

26の関連会社を含むグループ全体の研修を本部で行う仕組みづくりからスタートし、その後も次世代リーダー育成やタイプ別コミュニケーション、アサーティブコミュニケーションなど、多くの研修を担当しています。

化粧品メーカーなどでも人材育成や組織開発に関わっています。
研修業界は競争も激しく、毎年継続してご依頼いただけるかどうかの世界です。

だからこそ、一つ一つの仕事を大切にしてきました。
ありがたいことに、今も継続してお付き合いさせていただいています。

個人の課題から組織の課題へ

すみだ経済新聞:
近年は組織開発にも力を入れています。

長尾円さん:
個人を支援するだけでは解決しない問題があることに気付きました。

採用基準が曖昧だったり、理念が浸透していなかったり、評価制度が機能していなかったり。

経営者は伝えているつもりでも、現場には伝わっていないこともあります。
私はそうした認識のズレに注目しています。

採用、育成、評価、理念浸透は別々の問題ではなく、全部つながっています。

経営者の孤独に向き合う

すみだ経済新聞:
経営者支援で感じる課題はありますか。

長尾円さん:
経営者は孤独です。

意思決定を求められ続けますし、情報もあふれています。

私は「決断疲れ」という言葉をよく使います。
また、自分と似た意見ばかりが集まるエコーチェンバーや、特定の誰かを過度に信じてしまうメシアトラップも起こりがちです。

だからこそ、一緒に整理する相手が必要だと思っています。

長尾メソッドとは

すみだ経済新聞:
宮脇さんは「長尾メソッド」と表現しています。

長尾円さん:
自分では意識していないんですけど(笑)。

一つはゴールから逆算することです。
もう一つは徹底的に調べること。
そして相手の強みを言語化することです。

私は答えを与えることはしません。

問いを通じて整理し、自分で答えを見つけてもらう。
それが私のスタイルです。

墨田区で挑戦したいこと

すみだ経済新聞:
今後、墨田区で取り組みたいことはありますか。

長尾円さん:
法人研修ですね。

採用や育成、評価制度、理念浸透などを含めて地域企業のお手伝いをしたいと思っています。

墨田区には魅力的な企業や経営者がたくさんいます。
そうした企業の強みを言語化し、人材育成や組織づくりを通じて地域全体を元気にしていきたいです。

これから

すみだ経済新聞:
最後に今後の展望を教えてください。

長尾円さん:
私はずっと人の可能性を引き出す仕事をしてきました。

最近は個人だけではなく組織を支援する機会も増えています。

組織が変われば人が変わる。

人が変われば地域も変わる。

これまで培ってきた経験を生かして、これからも墨田区の企業や経営者の皆さんのお役に立てたらうれしいです。

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