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錦糸町・SICで「月と暦の文化トーク」 月待ちや隅田川文学ひもとく

講師の大川真智子さん

講師の大川真智子さん

 月と暦をテーマにした文化トークイベント「すみだの奥座敷|月を待つ、月を読む−暦とことばでたどる隅田川−」が9月21日、「SIC(墨田区産業共創施設)」(墨田区錦糸4)で開かれた。

大川真智子さん(左から3人目)と参加者

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 講師を務めたのは、高校の国語教諭で大学でも教壇に立つ大川真智子さん。大川さんが書き下ろした同作品の朗読を入り口に、月の満ち欠けや暦、月待ちの習俗、隅田川を巡る文学へと話題を広げた。

 初めに、旧暦8月15日の月を「中秋の名月」と呼ぶ理由を紹介。今年の中秋の名月は9月25日、天文学上の満月は同27日で、2日ずれることを説明した。十五夜以降の月を「十六夜」「立待月」「居待月」「寝待月」「更待月」と呼んできたことにも触れ、日ごとに遅くなる月の出を待つ人々の暮らしをひもといた。

 特定の月齢の夜に人々が集まった「月待ち」については、二十三夜待ちや二十六夜待ちを取り上げた。人々が「講」をつくり、祈り、飲食や会話を楽しみながら月の出を待ったと説明。江戸時代の二十六夜待ちを描いた絵図を示し、仮設の茶屋や露店、見世物が並ぶ祭りのようなにぎわいも紹介した。

 後半は、永井荷風の「向島」や幸田露伴の「水の東京」、服部南郭、遠山雲如らの詩や文章を通して、文人が見つめた隅田川の風景をたどった。月だけでなく、川面や舟、秋風、両岸の町並み、月が現れる前の時間までが言葉に残されていることを解説した。

 大川さんは、月が出るまでの待ち時間そのものが文化だったと説明。目の前にある月を眺めるだけでなく、まだ現れていない月を待ち、過去の人々が見た風景を言葉から想像する営みを通して、日本文化に受け継がれてきた「見えないものを見る」感覚について語った。