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錦糸小学校でファッション・ビジネス・スクールとコラボ授業-帽子店経営を体験

クラス全体を6チームに分け、帽子店経営をシミュレーション

クラス全体を6チームに分け、帽子店経営をシミュレーション

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 墨田区立錦糸小学校(墨田区錦糸1)で1月20日、ファッション産業の人材を育成する「IFIビジネス・スクール」(横網1)の学生が6年生の1クラス(21人)を対象にユニークな授業を行った。

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 講師を務めたのは同スクールのマスター・コースに在籍する平均年齢27歳の男性4人と女性3人で、それぞれ、高島屋、三越伊勢丹、大丸松坂屋、東急、三陽商会から派遣されている。日頃はファッション・ビジネスについて学んでいる7人が、帽子店経営の疑似体験を通じて児童を指導した。

 7人はまず、東京スカイツリー前に帽子店「MAIDO」が開業するまでの経緯を寸劇で紹介。8ドルの帽子を85個売って680ドルを売り上げた中から、仕入れ代、刺しゅう代、チラシによる広告費、屋台のレンタル料を差し引いて利益が出る仕組みを説明。その後、売れ残った25個の帽子と利益の70ドルを元手にこの店を引き継いだという設定で、クラス全体を3~4人から成る6チーム(社)に分け、売り上げとコストのバランスをうまくとりながら児童に数字を考えさせ、最終回までにどのチームが一番利益を得ることができるかを競い合った。

 経営のシミュレーションに用いられたのは、「ジュニア・アチーブメント日本」(品川区)が小・中学生用に開発したプログラム「CAPS」。集計を担当した同団体・常務理事の高木正明さんは「日本の学校は経済教育に対してあまり積極的ではないのが現状だが、コスト意識を持ったり、経営を通じて意思決定や他人とディスカッションする能力を育てたりすることは、社会で生きるために必要な学問」と話す。

 シミュレーションは4回行い、毎回、各チームの売り上げ、利益、順位を発表。順位は常に変動し、児童たちはその都度「自分のチームの利益はなぜ前回より増えたのか」「隣のチームはなぜ利益をたくさん出せたのか」などの要因を分析し、作戦を立て直した。各チームには学生が一人ずつ相談役としてつき、アドバイスした。

 累計で893ドルを売り上げて優勝したチーム「CAP10」の児童は、授業を終えて、「いつも当たり前のように買い物をしていたが、店をするのがこんなに大変で、利益を上げるのが簡単ではないことを知ってすごく勉強になった」と振り返った。同チームの相談役を務めた三越伊勢丹の河野俊介さんも「みんな驚くほど飲み込みが早く、常に先を見据えて数字を考えていたことがチームの優勝につながったと思う。今回の授業でファッション産業を少しだけ身近に感じてもらえたのでは」と期待を寄せた。

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